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■「e−絵本」と「いい絵本」
今日のセミナーのテーマ、「e−えほんって?」には、「e」=electricを表した「電子絵本」という意味と「いい(良い)」または、「ええ(関西弁)」絵本という意味が含まれています。わたしたちは、「電子絵本」や「electric絵本」と聞くと従来の絵本をコンピュータに再現したものとして考えがちです。そして、従来の紙の絵本の良さ(紙の感触やページめくりなど)に欠けていると思われる方も少なくないのではないでしょうか?
わたしたち大人は、新しいものに対して、とかく実生活のなかにあるものを当てはめ、従来のものと比較し、そしてどちらがよいか答えをだそうとします。しかし、もう少し発想を柔らかくして、比較するのではなく従来の絵本と電子絵本とは全く異なるものと考えてみたらどうでしょう? 電子絵本やコンピュータに対する印象、考え方も少し変わってくるのではないでしょうか。今日は昔の子どもに戻って、子どもの世界観をのぞいてみることにしましょう。
■絵本とファンタジーの世界
絵本といえば、ファンタジーですよね。大人と子どもでは、ファンタジーの体験にも大きな違いがあるようです。
今回、「いい(良い)絵本」として、「The Giving Tree(『大きな木』シェル・シルヴァスタイン著)」が紹介され、幼児教育を専攻されている学生さんが実際に朗読してくださいました。
この絵本は要約するとこうです。
「主人公の『男の子』は、子どもの頃よくりんごの木で遊んでいました。『男の子』はこのりんごの木が大好きで、りんごの木も『男の子』が大好きでした。しかし、『男の子』が青年に成長すると、段々木では遊ばなくなり、その代わりに『お金がほしい』と云うようになりました。木は、『りんごの実を売ればいい』といいます。木は幸せでした。暫くして、すでに壮年になった『男の子』が木の前に現れたとき、木は、『一緒にあそぼう』といいましたが、『男の子』は『家族をもちたいので家が欲しい』と云いました。木は、『枝を切って家を建てたらいい』といいました。木は幸せでした。長い年月を経て、中年となった『男の子』がやってきました。木は、『一緒にあそぼう』と云いましたが、『男の子』は、『遠くに行くためのボートが欲しい』といいました。木は、『幹を切ってボートをつくりればいい』といいました。木は幸せでした。でも本当はそうではありませんでした。その後、老人になった『男の子』がやってきたとき、『申し訳ないけれど、もう何もあげるものがない』といいました。『男の子』は、『なにも欲しくない。ただ、座って休みたい』といいました。木は、『切り株に座ってやすめばいい。』といいました。『男の子』は、木に言われた通りにしました。木は幸せでした。」
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